社交性不安障害(あがり症)のβブロッカー(β遮断薬)

不安や緊張が高まると、動悸、息切れ、発汗、震えなどの身体症状がでてきます。これらを抑制する時に使われる薬がβブロッカー(ミケラン・テノーミンなど)です。定期薬ではなく必要時に頓服飲みしていただきます。動悸や息切れなどの身体症状は、脳内神経伝達物質の一種であるアドレナリンが全身の交感神経を刺激することによって起きます。βブロッカーは、このアドレナリンの効果を遮断する働きがあり、交感神経の刺激が抑制されて、症状が緩和します。社交不安障害の人が、強い不安や緊張を感じやすい場面、たとえば大勢の前で、大事な発表をしなければならないような時、発表の直前に服用することによって症状を抑えようというものです。動悸を一時的に抑えることで動悸→不安・緊張→動悸悪化というサイクルを断ち切ります。
気管を収縮させる作用もあるので気管支喘息のある患者には使用禁止です。

2015年02月19日