気分循環症
気分循環症について
比較的軽く短い高揚(軽躁)と、軽く短い悲しみ(うつ)が交互に現れます。これが2年以上続きます。また、各々の症状は頻繁に出現し、2ヶ月以内に軽躁かうつが出現します。双極性障害(躁うつ病)とどう違うのかというと双極性障害ほど重症ではありません。軽躁とうつの程度は比較的軽く、数日間しか続きませんが、コロコロと不規則に再発します。 最初はこの病名がついていた方が悪化して双極性障害の病型がつくこともあります。意外と良い方向に向かう方もいて、ビジネスで成功したり、指導力を発揮したり、芸術的創造性に貢献することもあります。しかし一方で、気分がコロコロ変わるため、仕事や学校の成績もコロコロ変わります。失恋や離婚を繰り返したり、衝動的に頻繁に引越しを繰り返します。アルコールや薬物依存になってしまう方も多いと言われています。パーソナリティ障害と誤診されていることもあります。
気分循環症の治療方法
双極性障害(躁うつ病)の一つとされていますが、双極性障害は『脳』の病気であるのに反して、気分循環症は『こころ』の病気としての治療が主となり、薬物療法よりもカウンセリングが中心となります。患者様は極端な気質傾向と折り合って生きる術を身につける必要があります。しかしながら、気分循環性障害とともに生きることは、しばしば対人関係が波乱に富むため容易ではありません。双極性障害のように明らかな異常ではないため、周囲からは病気とは思われず「性格的に扱いにくい人」とされてしまい社会的に孤立されてしまう方もいます。気分の上下があっても大丈夫なように時間に融通の効く仕事を得たり、芸術の道を追究したりすることで気分循環性障害とともに生きている方もいます。『こころ』の病気ではありますが双極性障害と同じ治療をすることもあります。しかし、気分が高いときに後々に困る行動をすることがあるため、抗うつ薬の使用は控えることが多いです。双極性障害より軽いとは言えますが、治療法は確立しておらず、双極性障害より治りにくい疾患と言えます。『脳』の病気のほうが重傷ではあるとはいえ、薬物療法が効くからです。『こころ』の病気は病気ともいい難い部分があり、薬物療法だけでは不十分です。