病気と症状
このような症状はありませんか?
落ち込んで何もやる気が起きない

消えてしまいたいと思ってしまう

自分を責めてしまう

大事な用事を忘れてしまう

他の人よりミスが多い

常に不安が消えない

人前で話すことが苦手

いつもイライラする

眠れない

朝起きるのがつらい

息が苦しくなる

めまいがする

食欲がない

緊張するとお腹が痛くなる

最近物忘れがある

にしこころの診療所では、このような症状でお悩みの方々が、少しでも日々快適に生きていけるよう、医師・スタッフ一同で治療に努めております。 ご本人が受診を望まない場合は、ご家族のご相談も承ります。お一人で悩まずに、是非一度ご相談ください。

病気から探す

うつ病

教科書的には何の理由もなく気分が低下(抑うつ気分)するとされてますが近年のうつ病は「理由がある」気分低下から始まることが多いとされています。理由がある抑うつ気分でもそれが一日中、ほぼ毎日〜2週間以上続くならうつ病の可能性が高いとされています。以前は興味があったものに興味がなくなってきてしまっているなら、うつ病の可能性がかなり高いのですぐに受診されてください。
頭の回転が遅くなり、自身がつまらない物のように感じることによって「死んでしまいたい」「死んでも構わない」と感じるようになり自殺されてしまう方もいます。
30代の死亡原因の第1位は10年以上も前からずっと自殺です。ちなみに先進7カ国で自殺が1位なのは日本だけです。この自殺の45%以上がうつ病によるものであると言われています。またうつ病の方の15%が自殺してしまうとされています。
「まさか自分が自殺なんて・・・」そんなふうに考えていた人がうつ病になると自殺をしてしまいます。そうなる前に適切な治療を受けることをお勧めします。

適応障害

あるストレスに適応できずに気分低下、不安、不眠などの精神症状が出現します。適応できないで社会生活に支障をきたす精神症状あればどんな症状であろうと適応障害となります。とはいえ気分低下が中心となることが多く、うつ病に似ているようにみえるかもしれません。ストレスの3ヶ月以内に起こりストレスがなくなれば6ヶ月以上にはなりません。うつ病とは違いストレスがなくなると速やかに回復します。例えば会社がストレスになっての適応障害は数日休むだけで回復することも多いです。人によっては休日には回復される方もいます。内服薬が使われることもありますが保険的には適応障害を標的とする内服薬はありません。内服薬よりもストレスを回避するような環境調整のほうが効果があることが多いです。うつ病とは異なる疾患ですが放置するとうつ病に移行してしまうため注意が必要です。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

Attention Deficit Hyperactivity Disorderの頭文字です。日本語では「注意欠陥多動性障害」となります。3~7%の子供がADHDといわれています。1クラスで1人か2人はADHDの児童がいることになります。
発達障害の一種で病気というよりは『個性』です。注意が欠落していて動きが多い人・・・のような印象を受けますがそうではありません。むしろ集中力は人より高いことが多いです。しかしその集中力があらぬ方向に向いてしまうため注意力がないように見えてしまいます。『個性』なので病気のように悪化したりはしません。また反対に自然と改善することもありません。生まれもっての個性です。また他動に関しては年齢を重ねるにつれて回復に向かうこともあります。
ADHDの有名人も多く、うまく環境が適合すれば通常人より優れた結果を出せる人もいます。成功する経営者や芸術家のほとんどがADHDであると言う専門家もいます。反面環境に適合されない方も多く、「朝起きが悪い」「ミスが多い」「考えずに行動する」「落ち着きがない」「約束を守れない」などの症状が不真面目、やる気がないなどと取られ自信をなくす方もおられます。
発達障害の中では唯一「薬物治療」が存在します。全員ではありませんが内服によって劇的に改善される方も多いので内服治療を試すことをお勧めします。

社交不安障害

もしかすると赤面症とか対人恐怖症と言ったほうがよく知られているかもしれません。人前で話したり 行動したりする際に過度に緊張し、失敗するのではではないか?変に見られるのではないか?と恐れます。結果的にそのような場面を回避してしまいます。人前で話すことが苦手な人はいます、むしろ大得意って人のほうが少ないでしょうがそれが過度になると社会生活に支障が出てきます。過度な方は人前での食事も緊張してできないようになってきます。そこまでになると回避ばかりはできません。どうしてもそのような場面に遭遇することとなり強い苦痛・不安感・動悸・声の振るえ・手の振るえ・発汗・赤面が起こります。
患者はその反応が過剰で不条理であると認識していますが自分ではコントロールすることができません。
動物の不安をつかさどる辺縁系(扁桃体や海馬を中心とした脳の部位)のセロトニン減少が病院の原因とされておりセロトニンを増やすタイプの抗うつ薬の効果が期待されます。

強迫性障害

強迫性障害は不安障害の一型とされていまいしたが現在では強迫観念と強迫行為に特徴づけられる別の病気とされています。しかし以前と同じくほぼ不安障害の仲間と考えたほうが分かりやすいのではと思います。強迫観念は無意味ないし不適切と判断しているのに無視しようとしても繰り返しこころに沸きあがってきてその無意味な考えを止めることができない現象です。また強迫行為とはその考えに従って行動することをいいます。ほとんどの強迫行為は強迫観念に伴って高まる不安を緩和および打ち消すための行為です。そのばかばかしさや、過剰であることを自ら認識してやめたいと思っても止められません。
具体的には、トイレのたびに「手の汚れ」を強く感じ、その不安から執拗に手洗いを続けたり、外出前に施錠を何度も確かめてしまったり、閉めたと分かっているガス栓の確認をきりなく繰り返したりします。
動物の不安をつかさどる辺縁系(扁桃体や海馬を中心とした脳の部位)のセロトニン減少が強迫性障害の原因とされていて、治療は、セロトニンを増やす抗うつ薬を主とした薬物が第一選択となっています。しかしながら薬物だけでは効果が不十分なことも多く精神療法を併用することもあります。

統合失調症

統合失調症は、脳の様々な働きをまとめることが難しくなるために、幻覚や妄想などの症状が起こる病気です。以前は「精神分裂病」が正式の病名でしたが、「統合失調症」へと名称変更されました。皆さん意外に思われますが、およそ100人に1人がかかる頻度の高い病気です。類縁疾患も含めるともっと多くなります。
統合失調症には、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状があります。陽性症状の典型は、幻覚と妄想です。幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴が多くみられます。陰性症状は、意欲の低下、感情表現が少なくなるなどがあります。周囲から見ると、独り言を言っている、実際はないのに悪口を言われたなどの被害を訴える、話がまとまらず支離滅裂になる、人と関わらず一人でいることが多いなどのサインとして表れます。
統合失調症の治療は、薬による治療(薬物療法)が中心となります。それに加えて不十分な部分を専門家と話をしたりリハビリテーションを行う治療(心理社会療法)を補助的に組み合わせて行います。薬物療法で軸となるのは抗精神病薬です。ほかの慢性の病気と同じように長い経過をたどりやすいですが、新しい薬の開発と心理社会的ケアの進歩により、初発患者のほぼ半数は、完全かつ長期的な回復を期待できるようになりました(WHO 2001)。

認知症

「知的障害とは異なり、いったん発達した知能が何らかの後天的な理由によって低下し、社会的な適応困難を呈した状態」を認知症と定義します。85歳以上の方の4分の1が認知症だと言われています。高齢化とともにどんどん増えていくと予想されています。認知症と診断されるのは、元々できていたことができなくなる症状がある場合です。「昔から苦手な記憶が今も苦手です」というのは認知症にはあたりません。
しかし「昔は何でも記憶できたのに・・最近覚えられない」という方がみんな認知症かというと、そうとは限りません。年齢とともに体力や皮膚の状態が衰えるのと同じく、記憶力も当然衰えます。加齢による物忘れは認知症ではありません。行動自体の記憶がなくなったり、行き慣れた道が分からず迷ったりなどが症状としてあげられます。また、もし家族が違和感を感じるような物忘れがあるなら診察が必要だと思います。家族が何かおかしいと感じて診察に来られる方は、加齢による物忘れのように見えても数ヵ月後には認知症という診断がつくことがほとんどです。家族からの問診・認知症検査・本人の診察・画像・採血検査などを参考に医師が認知症であるかどうかの判断、認知症の種類を決定します。しかし、実のところ、認知症は病名を確定することが難しいとも言われているので、診断名にこだわることなく困っている症状から抗認知症薬などを用いた治療を開始する必要があります。それによって家族や施設スタッフなどの介護者が楽になり、本人も楽になります。
認知症の患者様に必要なのは「関わり」です。昨日のことをも忘れてしまうような、ブツ切りの記憶しかなく、ご家族との関わりもブツ切りに感じていると思います。そばに居てあげたり、一緒に散歩してあげたり・・・それが患者様ご本人の安心感につながります。普段どおりに「関わる」ことで十分です。ご家族が疲れ切ってしまう前に、福祉サービスを利用しながら60%くらいの労力で介護することが大切です。