注意欠陥多動性障害(ADHD) 薬物療法1

ストラテラ

ノルアドレナリンを増やす薬です。私は諸々の理由から抗ADHD薬として使用する薬はこれだけです。これは従来の抗ADHA薬に比べると依存性がない薬剤です。速効性がないことと効果がぼんやりしているのが特徴です。徐々に注意力不足が改善していくという感じです。劇的に効かないので途中で止められる患者が多いです。しかし元々ADHDは病気というより本人の性質の一部です、全てが改善するというよりは円滑な社会生活が送りにくかった性質が和らぐようなイメージで内服されるといいと思います。劇的に効かないからといって止めてしまうのはもったいないと思います。治療効果の判定は自分では分かりにくいものです。自分で治療効果が判定できるような評価法がありますのでご相談ください。

また嘔気・食欲低下・めまい・だるさなどの副作用が内服初期に現れますが徐々に改善していくので副作用が出たので中止という即断ももったいないと思います。

《18歳以上の成人への処方》

ストラテラ40mg

1週間以上後

ストラテラ80mg→悪心・頭痛・動悸などの副作用が続く→ストラテラ40mgも考慮

2週間以上後

ストラテラ120mg→悪心・頭痛・動悸などの副作用が続く→ストラテラ80mgも考慮

4週間後に効果判定

効果がある場合でも更に数ヵ月後にはストラテラ80mgへの減量を考慮

効果がない場合減量中止

《18歳未満への処方》

ストラテラ0.5mg×体重(kg)

1週間以上後

ストラテラ1.2mg×体重(kg)→悪心・頭痛・動悸などの副作用が続く→ストラテラ0.5mg×体重(kg)も考慮

1週間以上後

ストラテラ1.8mg×体重(kg) ただし120mgを超えないように

→悪心・頭痛・動悸などの副作用が続く→ストラテラ1.2mg×体重(kg)も考慮

4週間後に効果判定

効果がある場合でも更に数ヵ月後にはストラテラ1.2mg×体重(kg)への減量を考慮

効果がない場合減量中止

2015年04月13日